妖怪人間ベム#6

5話までの中心となって描かれてきた深い哀しみとは違い、人間になるにあたって芽生える「誰かを思う心」がゆっくりと描かれた回だった。ベムたちはきっと今まで「誰かを思う」ということすら封じ込めていたのだと思う*1。夏目さんという「はじめて自分たちを受け入れてくれる人間」が現れたことで、誰かを思い遣ってもいいのだという気持ちの開放があったんじゃないかな。でもまだそれはぎこちなくて、ベラみたいにいろんな人に聞きながら自分の気持ちを確かめてみたり、ベムみたいにとんちんかんな時間に「ごちそうになりにきました」してみたりw人間になるための修業中ぽくてホント可愛らしかった。
ベムがベラを思う気持ちは、男から女への恋ではなく、もっと深い尊敬であり慈しみであり、信頼であり励ましでもある。それはまるで自分の心の中の一部分に向けて送る気持ちみたい。もともとひとつの細胞から生まれた3人だからそんなふうに思えるのかも知れない。だからベラを見つめる瞳がやさしくて、傷つくであろう事実を知ってからは哀しくて、ベラを傷つけた男に対する憎悪のまなざしが凍るほど冷たくて。ベムの瞳が、いつもとは違って見えた。哀しみだけではなくいろんな感情が透けて見えた。そしてベラの表情は柔らかく、しっとりと濡れ、最後にまた強くなった。かめも杏ちゃんも本当にすごい。すっかりベムとベラだよ!
福くんのベロはその無邪気さゆえ、人とかかわることに関しては人間に近い。けどベムとベラに対しては対等な感じでいるのが「義理のお兄さんになるのかな」ってあたりからも伺えて、ああそうなんだなあって思った。やっぱりベロもひとつの細胞から派生したんだもんね。
ステッキ3本に何やら電極のようなものが繋がっていて、3本と言えば「ベム・ベラ・ベロ」でもあるし、現在の持ち主3人というのもあるし、悪い人の涙で人間になれるということから考えれば「悪の心・正義の心・そしてもうひとつの心」とも取れるし。心だとしたら最後のひとつは何だろうってそれがわからないんだけど、とにかくステッキが3本寄れば何かが起こりそう。そしてその日は近づいている…夏目さんにあの男が接触したよ><ああもう、寄るな寄るな!とTVの前でわーわー言いながら見てしまったw
夏目さんの悪い心を引き出そうとする謎の男…とりあえず誰彼構わず緑の液体を投げつけるのではなく、じっくり悪い心を煮詰めてから緑の液体をかけようとする感じがまあなんとも憎たらしい。ああああ続きが気になるけど悲しくなるにおいがプンプンしてきた><ああどうしよう><

*1:だからその分、3人で互いに思い遣る心がとても純粋なのだと思う