PHOENIX

強くありたい時はだいたい2013→14カウコンのPHOENIXを再生する。私はカツンには強くあってほしいといつも願う。2回目のメンバー減、しかもカツンらしさの権化のような聖が抜けた。カツンはどうなるんだろう。私は4人のカツンも好きだと思えるのだろうか。でもカツンなら間違いないはず。そんな不安と期待の後初のリリースだったミニアルバムで、リリース直後私のTLを賑わせていたのがこの曲だった。仕事か何かでアルバムを取り込んだのが1日ほど遅れ、もどかしい気持ちでこの曲を待った。(アルバムはまず順番に聴くタイプ)イントロだけで身体の中に一瞬で震えが走った。

カウコンでのライブ初披露。Jr.による儀式めいたプロローグ、センターの花道を走る焔。火の粉の煌きのようなイントロ。カツン担誰もが待っていたPHOENIXが今目の前に現れる。なのに声を上げる人はほとんどいなかったように思う。私も「ひっ」という、まるでこの世のものではないものを見たような息を飲む小さな声しか上げられなかった。それほど、あの不死鳥は私達を圧倒していた。今DVDを見返しても(多少の音声の加工はされているかもしれないが)不死鳥が翼を広げるのを、ただただ誰もが息を飲んで待っているのがわかる。悲鳴にも似た歓声が起こったのは、焔を割って、4人が姿を現した瞬間だった。

輝く黒地に金糸の衣装。こんなの着こなせるのカツンしかいない。WE DO NOT FEAR 、まさに何者をも畏れぬその姿。黄金の輝きを靡かせて4人は降臨した。何度も蘇ってみせるよの言葉を信じられる。歌割がまたいい。
「OH 今さら 傷つくことはもうないさ 無限の希望と 祈りを纏って 天(そら)に昇ってゆく使命 妨げるものなど すべて排除して 見失う事など無いように 強さ持って 自分信じるだけ」の、中丸→田口→上田→亀、これ考えた人はすごくカツンのことわかってくれてる。感情を排除したような中丸くんの「傷つくことはもうない」、天から遣わされた田口くんの「無限の希望と祈り、そして使命」鬼気迫る上田くんの「排除」、首筋から胸に伝うかめの「強さ」…4人の表現力、歌唱の物語性に溜飲を下げた。特に上田くんは蜷川さんの舞台の稽古中ということもあってすごかった。不死鳥の物語は水と焔がぶつかり合ってクライマックスを迎える。この曲の間、私は息をしていたのかな。それくらい圧巻だった。そして蘇ったカツンは間違いなく私の知らない強さを秘めた、もっともっと見ていたいと思うカツンだった。

幸運なことに2日間ともこのPHOENIXを真正面から見ることができた。天井席でなかったことが悔やまれるほど。こんなパフォーマンスはもう見られないだろうし、これ以上のPHOENIXは現れないだろうからもう他のライブではやらなくてもいい、くらいに思った。カウコンの2日後、勝詣に当選していたけどあの新幹線事故で会場に行けなかった。今までなら泣いてただろうけどこの時だけはまぁいいかと思えた。それくらいこのPHOENIXに満足していたから。以来自分の強さを呼び覚ましたい時、強いカツンに平伏したい時…DVD再生回数も一番だしiPod再生回数も一番。そして今は、翅を休めた不死鳥が再び目を覚ますその日が楽しみでならない。