はじまりは確かにそうだった。メンバーの頭文字をただ並べただけだった。けれど、ただ並べただけなのにちゃんと強そうだった。
自分の場所が嫌でべりっと剥がすような子もいたり。一文字一文字が俺が俺がと前に出たり。それでもなんだかその6文字はひとつだった。

いつの頃からかもうそれはただの「頭文字の集合体」ではなかったのだ。「KAT-TUN」はそれひとつで「KAT-TUN」だ。ばらすことも取り替えることもナンセンスな、熱い塊。だからAが抜けて、KAを一人で背負うなんて言われてもピンとくるはずない。もう、KAT-TUNは、KAT-TUNとしての個性を、うねりを、存在感を、命を持っている。少なくとも私にとってはそうなんだ。だからもう「5人のKAT-TUN」なんて言わないでよ