BANDAGE

今日から公開ですね。ここ数ヶ月のPRラッシュでうちのコドモもすっかりコバタケ氏を覚えましたw私はまだ劇場には足を運べていないんですけど、試写会にて感じたことを残しておきたくて、試写会当日にがーっと書いてみた。ようやく公開されたのでアップします。ネタバレ多分に含みますのでご注意を。








  • そこに居たのは、私の知っているカツンのAじゃなく、私の思うあかにしじん、という人*1でもなく、「高杉ナツ」だった。それは、じんくんが完璧にナツという人物を演じたというよりは、ナツとしてそこに居た、という感じ。だって時々「あ、これはじんくん」と思うところもあったし。それってつまり演じてたってことなんじゃないの?って思われるかも知れないけれど、本当に「じんくんが演じている」という感じがしなかった。じんくんがインタビューで言っていたように「(じんくんとは)全然似ていない」し「ユキヤの方がかっこいい」。コバタケさんがなんで彼を選んだのかはインタビュー等で散々語られていて、それは「ふーんそうなの」くらいにしか思えないけれど、存在感がものすごい。
  • ナツという人は、軽薄でふわふわしている。酔っぱらいのテンション。パブリックイメージとして与えられている「遊んでいる人=じんくん」には近いから、「これ演技じゃなくない?」という誤解を生むかも知れない。けれどナツは、じんくんとは随分違う気がする。それは、ナツのエネルギーが基本「陰」に向かっているからだと思う。じんくんからは(これは勝手な想像にすぎないけれど)もっと「陽」のエネルギーを感じる。その「軽薄」なナツの、アサコへの気持ちがどこまで「いい加減」でどこから「大切」なのだろう。コンビニでノート*2を買ったあたりで、もしかしたら「大切なもの」に変わったのかな。作った曲を初めて聴かせる、そんなところにナツの不器用さを感じた。ここでようやくナツの気持ちを知ることができるかもしれない。しかしそれは、後で思い返してみたら、という話なので、ストーリーを追う中ではあんまり伝わってこない。
  • 肩に回す手とか耳元で囁くのとか、「ああこの人に全部持っていかれるな」という本能的な色香がすげええええええの。アサコあれでよく突っぱねたなw私なら無理wwwあの本能に訴えかけてくる部分はじんくんだよね^^白シャツ胸板ハァハァ(*´д`*)打ち上げの時にアサコの肩に手を回した、その指にものすごい色気が><*
  • アサコというのはこの物語の鍵となる女の子なのに、彼女の行動の動機がいまいち理解不能なのが映画としては辛い。アサコの描写にもっと厚みがあればいいんだけど、そこは監督の畑違いなのか、あんまり描かれていない気がする。ただ、きいちゃんは可愛い!これは間違いない。
  • アサコをナツが傷つけてしまい、部屋の中でひとりギターをかき鳴らして歌うシーン。あそこで、ギターもじんくんも泣いているみたいで、ああ監督よくぞこの声を引き出してくれた!と思った。いつも聴いているじんくんの声なのに、こんなに哀しい。じんくんはこんなに哀しく歌うひとではない、と思うのに、こんなじんくんの声を聴いてみたかったのだ、と気づく。そしてラストシーンの、神々しいまでの金色のナツの姿。あれも、ナツだけど、じんくんに対して私が見ていたイメージを具現化してくれた姿だった。このふたつのシーンが私にとっては印象的だった。ナツというより、赤西仁、的に。
  • 一番のヤマ場が↑の歌のところだと思うんだけど、その後の展開がどうも雑というか、もうちょいどうにかできないのかな。最後のシーンは綺麗だけど、そこで終わって「????」みたいな空気が会場中に漂った*3ということは事実。監督は、美しいものを美しいまま凍らせてしまいたいひとなのだろう、と、これはこの映画に限らず、彼の作る曲や彼にまつわることを見ていて思う。その美しさが波のように心にざわざわと広がっていけばいいんだけど、ことこの映画に関しては、フェードアウトの無いままに音楽をぶつっと切られたような感じがした。
  • ユキヤがかっこいいよ^^神経質で繊細で、天才。ただ、「俺にはね、才能がないんだよね」ってナツは言うけれど、ナツの才能は、きっとその声なんじゃないかな。それを自覚していないだけで、才能があることはユキヤにもわかってるはず。ユキヤからナツへの感情は愛情、みたいなネタバレをどこかの雑誌で読んだけど、私は「愛情が一周半廻って嫉妬」みたいに感じたけどな。あと、ユキヤとアサコの海のシーン、あそこが一番コバタケ色強い。ひょっとしてタケシはユキヤに自分を重ねてんのかしら。

※追記:評価の分かれる映画ぽいですね。会社にインディーズで活動している音楽男子がいるんだけど「音楽面では仲間内で結構前評判が高い」と言っていました。劇中歌はどれも印象的。ただ・・・ロックなのか?私のイメージするロックとは少し違うんだけど。ロックというより佐野元春風。ノイズとかこの街とかそういう単語のイメージが私の中では佐野元春。そしてアルバムを手にして聴いて、それにまつわるシーンを回顧してたらなんだか「いい映画だったかも」という気持ちになってきた。ボーナストラックにあの弾き語りなんて反則><泣いてまうやろ><実はそこばっかり聴いている。「げんきげんきうぉおー」は、スカVerよりも断然シンプルがいいと思うんだけど、それじゃ売れないんだから私には音楽業界無理です^^初見はどうも「はいはいタケシ」くらいにしか思えなかったので、ざっくり「○」か「×」に分けられるとしたら私の感想は「×」に仕分けられる。あと「赤西仁のPV映画」って評も見かけるけどむしろコバタケの脳内PVじゃね?もちろん白いシャツ(*´д`*) ハァハァとかはものすごいええ感じに魅力引き出してもらってるんだけど。
「アルバム聴いてから観る」か「観てから聴く」かどっちが効果的だろう、と考えた結果「観てから聴いて、もっかい観に行く」が一番効果的なんじゃないかなーと思いました^^次観たら私にも世界観←が味わえそう^^

*1:当然、私たちは彼の本当の姿など知りえないから、想像にすぎないんだけど

*2:このノートが、自分が学生時代に使っていた古いキャンパスノートで、そのへんのこだわりは「お!」って感じ。

*3:とにかく会場が「ざわ・・・ざわ」だったんだよ