オルトロスの犬#最終回

竜崎が「神の手」という運命に無情なまでに翻弄されているのが、せつない。子どもの頃から好奇の目で見られその力だけを求めて擦り寄る人々を嫌というほど見てきて、さらにはその力のせいで最愛の(そして唯一心を許せる)存在である母と弟が目の前から去って。何度「こんな力なければいいのに」と思ったか知れない。今までの「この力で神になる」だの何だの言ってたのもきっと本心じゃないんだろうな、って私は思ってる。幼い頃からの孤独をずっとずっと胸に抱えて生きてきて、感情をぜんぶ凍りつかせてしまったように見えるけど、凍りついたその奥底には、幼い日のやさしい思い出に育まれた暖かなココロが眠っているんだよきっと。
そんな忌まわしい力を、その暖かな感情が動いて「使いたい」と願った時には使えない。父が死にそうなときも、りょうすけが傷ついたときも、みおが微笑んだときも。本当に助けたい人を助けられないなんて、なんという哀しい力。滝の演じる竜崎は、そんな哀しさがじわりじわりと見えてきて、滝の美しさがその哀しさを引き立てて、なんというか絶品だった。私には。
哀しい力といえば蒼井先生もそうで。決してひとから望まれることの無い力。だけど黒い思惑を持った大人たちには喉から手が出るほど求められる。そんな思惑抜きで本当にその力を求めてきた唯一の人間が兄で、そして兄を思ってその力を使えばその手で兄を殺めてしまうことになるなんて。にしきどさんのうるうる眼も、そんなジレンマを静かに湛えていて、見てるだけで一緒に辛くなっちゃった。
呪われた運命によって沈んだ村、その村の哀しい運命を背負った二人もやっぱり最後は沈んでしまうんだ・・・



あれ?????



ちょwwwその1年後のエピソード全力で い  ら  な  い^^



いやほんと、1時間まるっとウルウルきてたのに最後生き返って本気で\(^O^)/ですよ。竜崎の死体が上がらないとか言ってたから「もwしwやww」と思ったけど。まぁでも仔犬と滝様というのがあまりにも美しくて全てを許しました^^
大きな筋になっているテーマは人間のエゴや哀しい運命を紡ぎだしてて本当になんだか切なくて胸が痛いな、って見てたんだけど細かいところはつっこみどころも満載w榊大臣急にいい人になったね^^これはおそらくくらのすけ効果*1と思われます。とか言って最後の「大きな力はいらないのです!」と拡声器で街頭演説する榊大臣の姿に一番泣きました。くらのすけさんは非常にいっちゃった人で最後の形相なんかは「舞台か!」くらいの無駄な迫力。蒼井先生はしれっと教壇に復帰してたけどあんないわくつきの先生を事件から1年やそこらで採用する学校があるとは到底思えません。
何よりも一番/(^O^)\ってなったのは二人が絡み合ってダム湖の底に沈んでいくシーンでにしきどさんのシャツが上にべろりんとめくれ上がった画です。あの直前まですんごい泣いてたのに「ちくびがコンニチハΣ(゚Д゚;≡;゚д゚)」って一気に醒めた。改まっていうほどのことじゃないけど、どうやら私はあまりちくびが好きではないのです。なんか・・・見たくないのよね(´・ω・`)えろいとかそういう理由ではなくて、体にぽちっと付いているもの全般に苦手なの。洋服のボタンとか。そういう人いませんか?

そしてこの「竜崎臣司」という役は私のかなり好みの役で(Sな感じとかSな感じとかSな感じとか(*゚∀゚)=3)ほんっと3ヶ月間楽しかったです。蒼井先生が竜崎の首にぐっと手をかけ、さあどうする??という非常にシリアスなシーンで、眼を閉じた滝があまりにも美しすぎて思わず「ちゅうしたい・・・」と漏らしてしまった^^完全なダークよりもどこかに温度の残っているダークの方が滝には絶対似合う。小児科病棟から出て病院を去る後姿は表情ひとつ見えなかったけど背中の羽根が見えました。やっぱり私は滝の持つこの感じからは離れられないんだよなー。

*1:もうほとんどの人の記憶にないであろうくらのすけさん主演の「ギラギラ」で毎回悪人があっという間に改心するのだ^^