昨日観た映画

昨日は映画サービスデーだったんで、久々に映画のはしごなどしてみた。独身の時以来。しかし前日に睡眠4時間で映画のはしごに臨むもんじゃないなーと痛感しました。2本見終わった後の頭痛ったらなかった。そして帰ったその日もまた睡眠3時間というね、ひどい生活なんとかせねば。アラフォーの体には自力で回復する力は残ってないよ(´・ω・`)
ということで、昨日観た映画の感想など書き残しておきます。自分用メモ。

音楽についてさほど詳しいわけではないので、パンクもメタルも違いがよくわかりません。DMC(漫画で読んだ)が「本当はメタルなんてしたくないのに実はものっそいメタルな血がふつふつ」なのに対してこっちは「ものっそいパンクな血はふつふつしているが、いかんせん全員オッサンなのだ」というシチュエーション。そう、見事にオッサンなんだけど、みんな愛すべきオッサンだった。それぞれ、抱えるものもそんなにある感じではないオッサン共がタマシイだけは熱く燃えている。最初は空回りだった熱さも次第に折り合いがついてくる。そうなるとオッサンたちは実に少年そのものなんだなぁ、って思った。いろんなことに疲れて流されて諦めてつまらんオッサンよりも、どっかがふつふつしてるオッサンは魅力的。だからといって自分のオットがそんなふうにふつふつしていてほしい、とは思わないけど。
佐藤浩市、やっぱり色っぽい。今回は本当に「きちゃない」オッサンなのに(わざとなのだと思うけど、ライダースジャケットから肌蹴たお腹がちょっとプニってるとか)、ギラギラした感じはものすごーくセクシィなんだよなぁ。隠しても隠しきれない素の魅力というのは、ある意味ストレートなアピールよりもぐぐっとくる。あとこの人が子供と戯れているシーンでものすごーくドキドキした。「色気男×子供」という図式*1に弱いらしい^^
最後は「えー」って感じだけどそれがクドカンぽいのかな。あと一青wwwやっぱりすごいわ一青。いつ「おおおおおお」言わないか心配になるほど、また不思議ワールド作り上げてました。

「子供を間違えられた母親」という一部の情報だけで観たらえらいめに遭った。この映画は、そんな「子を持つ母なら誰だって共感できるでしょ」的な、母性に訴えかけるような類の映画ではない。むしろ母性としての共感など、そう容易くできるものではない。この母親がおかれた現実はそれほど厳しく凄惨で、感情的に「わかる」などとは決して言えない。

ここで訴えかけられているメッセージというのは一貫して「権力の不条理さ」と「正義を貫き戦う人間」であったように思う。その、戦うためのエネルギーとして「母性愛」が根底にある。今の時代だったらDNA鑑定なんかですぐに真実は明かされるだろうけど、「権力こそ真実」という時代が確かにあったのだなぁ。そして権力は己の示す「真実」のためなら、神の領域=母と子の、命のつながりというものさえ捻じ曲げようとする。幽霊や残忍な場面といった感覚的に「怖い」という恐怖ではなく、権力による絶対的な支配(屈服させられる)というものの怖さに体が震えたのは初めてかも知れない。

ラストは希望を見い出すのだけれど(「Hope」という単語のもつ力強さや光をしみじみと感じた)私には本当にそれが「希望」という光だったのか、わからなかった。希望という闇もまたあるんじゃないかと思った。重くのしかかる映画だった。

*1:だから「じんくん×子供」ってのも好きすぎて困ります。お父さん役とかすればいいのに。