Olymposが先かBANDAGEが先か

長いのでたたみます。別に日々が悶々としているのではないのです^^日々はどちらかといえば若干ふわふわぱっぱらぱーな感じですよ^^





試写会での感想を挙げて追記として「○×でいえば×」に仕分けたはずのBANDAGEに対して不思議な感情が生まれている。その感情はLANDSのアルバム「Olympos」をヘビーにヘヴィに*1リピしたことに起因するけれど、それだけでもないような・・・なんつーかコバタケは魔法でもかけておったのか。時間が経ってじわじわくる映画って久しぶりだから戸惑っているのかも知れない。独身時代は映画鑑賞が好きで、仕事帰りに小さなお気に入り映画館でひとり映画を観て、同じビルにあるご飯屋でごはんを食べるのが何よりも好きな時間だった。そういえばその時、確かキッズリターン*2の同時上映で「打ち上げ花火〜」というやたら長いタイトルの映画を観た。ラストに「え?ちょっとここで置いていかないでよ」という感覚を味わったその映画が奇遇にも岩井さんの初監督作品だった。あの映画も確か、数日間私を悩ませたんだった。
そのBANDAGEをもう一度、早くこの目で確かめなければ、という思いに駆られている。あちこちで感想を読んだり正負まっぷたつのレビューを読むにつれ、自分の思いはまだ結晶化せずにどろどろのまま溶け込んでいる塩水のようだと思う。しょっぱい。どれだけ思い返してもナツとアサコのあの哀しい別れの後の展開が粗くてそこが腑に落ちなかったんだけど、そこに行き着くまでの感情の揺れをもう一度丁寧に拾い上げてみる必要がありそうだ。
週末の上映予定を調べていたら観に行くつもりの映画館でシアターが変更されていた。でもどう考えても変更後の大きさが適正だよ。内容的にも最初「全国でやらないんじゃね?」とか思っていたのにフタを開ければこの大々的なキャンペーンだものw最大スクリーンいっぱいのナツくんは観たかったけど最大音響でのきいちゃんのあえぎ声はさすがに><ってなるだろうから小さいハコでのんびり観ます・・・

そしてOlympos、こちらも入手当時「大きく好みが分かれる」「再生の回数だけ早送り」なんて書いておいて今や「好みでないけれど早送りできない><」という局面ですからね。私ひょっとしてコバタケのシンパ*3かw試写の感想でユキヤの宇宙との交信を「はいはいコバタケw」みたいに書いたけど実は・・・嫌いじゃない^^一曲ごとにちょっとまとめてみると*4めっちゃ長くなった。どの曲も「映画でこの曲が流れた、あのシーンが浮かぶ」という単純な符号になっていないのはすごいなーと思います。

  • オリンポス

安っぽい蛇使いの笛のような前奏と言葉遊びを重ねたような歌詞の連続がそこはかとなくマイナーなバンド感。でもその安っぽさがサビに入る時に美しく変わる。まさにサビでEden.

  • 元気ska ver.

これ聴くたびに映画のアルミのお部屋が思い出されます。あのシーンは女コバタケだったなあ・・・私は断然スカらないほうの「元気」が好きなんだけどそれじゃ売れないんだよね^^

  • 二十歳の戦争

そっとそっと、まるで息をするように歌われていく。戦争だけど日常だ。悲しみも、苦しみも痛みも。映画自体が日常を覗くような視点で切り取られていたので、この曲が持つ息遣いは、映画そのものを象徴するみたいに思う。

  • 勇気

あっくんが「売れない設定で書かれた曲だけど、売れちゃうよ?」って言ってたのはこの曲かな。ほんと「元気」の次は「勇気」ってもうちょっとなんとかならんのか、しかも音楽性で喧々囂々して結果なんかカオス、という映画内での立ち位置だけど、聴いてみたらこっちのほうが元気よりよっぽどバンドの方向性がブレてない気がする。しかしシングルカットして売り出す曲でもない。アルバムの3曲目くらいでまったり聴かせる曲じゃない?ところでこの曲でのあっくんのドラムがかっこよくて震えた。代々木呼ばわりしまくってすみませんw顔はやっぱり苦手な系統だけどブログ読んだら思考の方向性とかめっちゃ好みでした。

  • 鼓動

これが一番自分の中で化けた。最初は「あ、苦手系」と思ったけどこの曲とじんくんの声の相性がものすごく好み。水の中で必死に光に向かって手を伸ばすような世界。どうしても私は水中にいるような苦しい曲が好きで、かつん曲もそれ系が好きなんだけど、かつんの曲は深い海の底、であるのに対してこちらはとても人工的なアクリルの水槽の中にいるみたい。世界が歪んで見える。光は燦燦とその先にある。なのに浮上できない。鼓動だけが、自分の生を感じる術だ。これ新曲だけど、売れなくなってからの曲という設定なのかな。

こうやってマイナーな感じの曲が居並ぶ中ではキャッチー。基本的に「停滞」の曲が多い中でこれには確かな歩みを感じる。元気のほうは歩みってより見晴らしのいい場所で踊っている、という感じだから。そう考えるとこの曲はあの映画のあそこでしか流れ得ないんだな、というのがすとんと自分の中で落ちた。

  • 二十歳の戦争−Y's edit.

あの人(ユキヤ)きっとこんな風に世界にぼんやりとしたエフェクトをかけているんだろうな。繰り返しますが嫌いじゃないむしろ好きです^^

  • 元気Perfect issue

スカってるよりも断然こっち、否もっと言えば弾き語りがいいんですけど、「この世界はおまえのものだ」という優しさはシンプルな方が伝わる。「元気」ってタイトルだけ聞けばああなるだろうけど、この曲は蹲って動けないでいるアサコ、そしてナツ自身を「元気」という言葉の力強さで包んで守るやさしさにあふれているように思う。

  • サンキュー

これだけちょっと毛色が違うな、と思ったらこれはこのプロジェクト全部への感謝、ってことなんですね。これはカツンが歌っても違和感がそんなにない。

別に「坂東英二→ゆで卵→卵が先かニワトリが先か」じゃないんだけど、こうやって曲によって思い返してみると自分が思ったよりもBANDAGEの世界にいるな、と驚く。先に観たからこうなったのか聴いたからその世界をこんな風に反芻できるのかがわからない。思考に波風を立てる映画というのは貴重で「○×で言えば○」なのかも知れない。いつからかこんな風に考えを引きずり出して、戻して、積み上げては壊し、という過程を省略するようになってしまった。考えるのは嫌いじゃないけれど、いつまでも浮遊しているみたいでもいられない。私の世界は私だけのものではなく、私の世界によりかかるいとおしくまだ弱い世界がある。様々なしがらみもある。しがらみの間を繋ぐ、確かに「私だけのもの」をもっと豊かにするためには思考の波風は貴重なので、そういう点では通勤のお供にぴったりなのかも。

*1:回数も精神的にもHeavyに

*2:なおキッズリターンは青春映画ナンバーワンだなーって思う

*3:この言葉が正しいかどうか確かめたら、シンパって英語のsympathizer(シンパサイザー、同情者)から来てるんだって初めて知りました。漢字で「信派」かと思ってた

*4:今歌詞が手元にないので歌詞に関してはあやふやです