夢の此方


いつもながら、しばらく滝に会えないのだなぁと思うとしみじみ寂しくなる私的ツアー最終日を迎えてしまった。まだぼんやりとした夢の中にいるような気分。

滝は決して近くには居ない。けれど、初めて見たあの日よりは、少なくとも「同じサイド」に居るのだという気がするようになってきた。初めて生で見たあの日、キラキラのオーラって本当にあるんだと思った。近くに来ても、近くに居ない。姿は、夢の彼方にあった。

コンサートの途中、眩いライトに照らされ、舞台に影が映る。ああ、確かに今この人はそこに居るのだと、影によって実感できる。直接関わることなどきっと有り得ない人。なのにこんなにも、私の日々を鮮やかに彩り、豊かにしてくれる人。神戸で私は、時には初恋の人を見る如く、時には息子の晴れ舞台を見る如く、そこに居る滝をただただ見つめた。

姿は、夢の此方にある。手は届かないけれど、同じ側に確かに居る。